創業二〇〇年余りの歴史とともに培われた伝統の技術と知恵を用い、伝統的な薪を使った焼型鋳造法による「佐波理」製のおりん・祇園祭や各地の囃子鉦・鳴物神仏具を専門に製造している国内でも数少ない工房です。
すべての製品に工房独自の配合で合わせた「佐波理(さはり)」と言われる銅に錫を多量に含ませた青銅の一種を使用しており「京の名工」六代目南條勘三郎のもと、型作りから完成まで一貫して一つ一つ手作りで製造しています。
非常に良く響き音色の良い鳴物に適した合金「佐波理」製のおりんは澄んだ音色と長い余韻が特徴で余韻の中にゆらぎがあり、とても心地よい音色を奏でます。
祇園祭の大船鉾には、南條工房の初代が手がけた「天保十年(一八三九年)南條勘三郎作」の銘が入った囃子鉦が受け継がれています。そうしたご縁から、一九八四年に五代目南條勘三郎が囃子鉦を新調し寄付を大船鉾保存会に致しました。
祇園囃子には欠かすことができない囃子鉦。当工房では、各山鉾のものを製作をさせていただき、近年では、長刀鉾、函谷鉾、南観音山、北観音山に囃子鉦を納めさせていただきました。
本名:南條浩二
鋳物土、粘土、籾殻を練って中子(中型)を成型し天日干しで乾燥させた後、焼き固めます。
土、粘土、黒鉛を使って、中子( 中型) と主型( 外型) の表面をコーティングします。
コーティングした中子と主型を組み合わせ、外れないように、土、粘土、籾殻を練ったもので塗り固め天日干しで乾燥させます。
窯の中に乾燥した鋳型を並べ薪を使って焼いていきます。
鋳物が冷めて固まったら鋳型から鋳物を取り出します︒取り出した鋳物を高温で焼き︑水の中に入れ急冷することで合金がなまり( 柔らかくなり) ます。
まず手動旋盤で鋳物の黒皮( 表面) を荒削りします。
その後、轆轤で仕上げ削りをして一定の形にしていきます。
高温に熱した鉄板の上で削った「おりん」を焼きます。「おりん」の色を見ながら焼き加減を調節しその後、徐冷(ゆっくり冷ます)します。焼いて徐冷する事で合金が焼き締まり硬い状態にもどります。
「おりん」の音を聞いて音の良いものと悪いものを選別します。
轆轤を使い研磨剤で「おりん」を磨き、蝋をコーティングして磨き上げます。
〒611-0041 京都府宇治市槙島町千足42-2
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